2023/03/19 12:00


 

硝子(ガラス)は、空気のようで、水のようで、氷や石のようで、光のようでとても不思議な素材です。

"透明なままでここに在る" そんな硝子のフォルムと光が生み出す豊かな表情をもっと見たい。知りたい。という単純な好奇心を原動力に、素材に触れ、研究・制作を続けています。

同じ硝子を用いても、窯で溶かす時の温度や時間、配置の仕方など、条件によってずいぶんと違った形に変化しますし、周りの空間や時間帯、陽や照明の明かりの差し方、見る角度によっても、全く異なった光の姿を見せてくれます。

光の表情がうつろう姿はまるで生きた"光"そのものが、そこに宿り巡る様子を眺めているようでもあり、目に見える(物理的な)世界と目に見えない(意識や無意識、感覚等の)世界を繋ぐ"架け橋"のような素材だと、私は捉えるようになりました。

自分と硝子。硝子と硝子。硝子と光。光と光。光と人。人と人。人と自分

そんな出会いの連鎖から生まれる物事が、自分を含め、周りの方々の生き方や暮らしに光を添えるものであってほしい。その人ならではの魅力を輝かせるものであってほしいと願っています。